WIG WAM – Japan exclusive interview with Glam (Vo) (2005)(日本語)

 

*見た目に惑わされるなかれ*

4月12日にオープンする英語版オフィシャルサイト管理人氏と以前から知り合いだった関係で、昨年からWIG WAMの存在は知っていました。しかし、インパクト大のルックスを観て正直敬遠していたのです。まさかメロディアスHR(欧州で言う所のAOR)を演っているとは到底想像が及ばず、今年の3月の初めにある知人から「この10年で一番素晴らしいAORだから是非聴いてみて!」と、NRK(ノルウェー国営放送)のMELODI GRAND PRIXのサイトの音源ページを紹介されました。そして3分後…ブッ飛んだ!!!それがIn My Dreamsでした。北欧メロディアスHRファンが求める全てがそこに凝縮されています。メロディー、分厚いコーラス、哀愁を帯びたキャッチーなサビ、これ迄あのルックスに惑わされていた自分を大いに反省しました。アルバム”HARD TO BE A ROCK’N ROLLER…in Kiev!”は、メロディアスな佳曲の数々が散りばめられ、キャッチーさとヘヴィーさが織り交ぜられた素晴らしい作品です。

これからご紹介するのは、WIG WAMのVoのGlamとのEメールによるインタビューです。MGP優勝後、ツアーも含めて連日多忙を極める中S-ROCKの為に丁寧に答えてくれたGlamに感謝します。

S-ROCKは強力にこのアルバムをお勧め致します!!!

 

今回のお相手はこの方です。

 

S-ROCK: まず初めに、3月5日のMELODI GRAND PRIXでの優勝おめでとうございます。去年貴方達は3位でしたから、今年優勝したかったのでは?MGPで何かいい(あるいは面白い)話はありますか?

Glam: 正直言って、俺達自身優勝するなんて全く思ってなかったんだ!自分達の事は商業的成功の狭間で演ってるバンドだと思ってたからさ(笑)、でも、例え音楽で競技出来ないとしても優勝するのは勿論嬉しいボーナスだね。それに俺はスポーツじゃ偉くないしさ。フェスティバルの面白い話?うーん、いつも色々な事が動いてるからね。最高に愉快だったのはやっぱり優勝した事だよ。

S-ROCK: ノルウェーのナショナル・チャートとVG-lista(VGという新聞の、ネット投票)でのIn My Dreamsの1位獲得もおめでとうございます。

Glam: 最高だろ!

S-ROCK: 日本のロックファンは貴方達の事を余り知らないので、バンドの歴史について教えて下さい。どの様に始まったのですか?

Glam: ロック・シティHaldenでのイカれたロックバーでのジャムセッションに参加しないか、と2000年にTeeny(G)から電話があったんだ、TeenyはSporty(Ds)とFlash(B)にも誘いをかけたのさ。それでセッションを楽しむ様になって、(2001年の2月24日の)復活を考える様になったのさ。TeenyはDREAM POLICEやOle Evenrudeの様な活動を80年代にやっていて、SportyはSHA-BOOMを、FlashはARTCHを、俺はHAIRの様なミュージカルやソロ活動を演って来て、そして遂に再びロックする機が熟したという訳さ。

 

Glam (Vo)

 

S-ROCK: 気分を害さないで頂きたいのですが、あの衣装やメイクは意図的なものなのでしょうか、それとも最初からやりたくて始めた事なのですか?何故こんな質問をするかと言うと、貴方達の音楽はとてもメロディアスで、ルックスとはかけ離れているからです。WIG WAMをグラム・ロック・バンドと称していますが、極めてAOR的(日本ではメロディアスHR)だと思います。また、貴方達を見た時人々が誤解するのでは、というリスクもあります…これは貴方達のプロモーションの「戦略」なのでは、と思ったんです。才能もなく、作曲や演奏の実力がなかったらこれは実現不可能な事ですから。

Glam: 俺には、AORバンドが「みっともない格好」をすべきではない、という理由が分からないんだ。AORが匿名のバンドによってもたらされるというのは神話でしかないと思っている。自分の取り分のケーキを取り、それを食べる事が出来るんだ。俺の考え方は、人生と、人生の楽しい事を祝福するという事。人生はパーティーであるべきなんだ、君がパーティーに行く時はカラフルな服を着て本当にいい音楽をかけるだろ?俺達だって同じなんだ!音楽をカテゴリー分けするのは本当に難しいよな、自分達が演ってるのはグラム・ロックか、AORかハード・メロディック・ロックか、プードル・ロックか、ポップ・ロックなのか俺にははっきり分からないよ、でも糞みたいなものだけは演ってないぜ。自分達が好きな音楽を演り、「豪華な」ライヴを演る、で上手く行っているんだ(笑)。

S-ROCK: 貴方達には子供からティーン、大人迄幅広い層のファンが居ますよね、全世代のファンを獲得する秘訣は何でしょうか?1晩で2回公演で、1回目は子供向け、2回目は大人向け、という様なライヴを演るバンドは聞いた事がありません。貴方達の音楽は、子供やティーンには新しく、大人にはかつて聴いていたもの…そして貴方達と同じ世代の人達にとっては80年代のメロディアス・ロックが消えて以来ずっと待ち続けていたものです。私自身にとっては、90年代には2、3の素晴らしいバンドが居ましたが、他はガッカリするものばかりで期待しない様になってしまいました。

Glam: 俺達が再結成した時、観客は昔懐かしい曲のセットリストを望んでいる様な中年の人達だったんだ。去年SCHLAEGERフェスティバルやMGPに出た後、沢山の子供達や40代後半の大人が俺達に注目する様になった。俺達の最年少のファンたちはライヴが観たいと言い続けていたから、幼いファン達の為のちょっとした「学校ツアー」をやったら気に入って貰えたんだよ。彼等にロック体験させるには1晩で2回演らなくちゃならなかったんだ、ここノルウェーにはアルコール規制があるからね。それで1晩に2回演るのが普通になったよ、1回が90分だ。それで間に合う様に会場に到着する為に夜中に起きなくちゃならなくなる事もあるんだ。ファンを愛しているし、彼等はWIG WAMされる権利があるんだからね!

 

Teeny (G)

 

S-ROCK: 「667」にはどういう意味がありますか?

Glam: 667は俺達のアルバムのタイトルみたいなものだったんだ、IRON MAIDENの良く知られた”666 – THE NUMBER OF THE BEAST”をパロディにした感じさ。で、実際にアルバムタイトルを”667 – THE NEIGHBOUR OF THEBEAST”としたんだ。グラム・ロッカーは次は上手くやるさ(笑)。

S-ROCK: 貴方達のライヴはどんな感じですか?現在のツアーはどうでしょう?

Glam: 俺達のライヴは純粋なアドレナリンと、20トンのロックのイカレっぷりが詰まった90分だ。今ROCK SCHLAEGER TOUR 2005の真っ最中で、いいかい、みんなイッちまってるぜ。まずイントロで幕開け、The Best Song In The Worldで始まって、Bless The Night、I Turn To You、Mine All Mine、Out Of Time(で修道僧の格好をするんだ、へへ)にHighway To Hell、Back In Black(AC/DCのカバー)とロックの輪の様にグルグル回っている間にTeenyとFlashが互いの楽器をタッピングする。バラードのTell Me Where To Goを歌う時にはその日の観客で一番可愛い娘が真っ赤なGlamのバラを受け取る、と(へへ)。それからTeenyのギターソロErectionがあって、そのままThe Dropへ怒涛の如く流れていく。SWEETのBallroom Blitzのカヴァー、Car-Lyleに、I Wanna Rock/I Love Rock’N’Roll/Holy Diverのメドレーがあって、Hard To Be A Rock’n Rollerで締める。毎晩アンコールがあるから、EUROPEのThe Final CountdownとBON JOVIのLivin’ On A Prayerを演って、おやすみを言う前にはヒット曲Crazy Thingと、In My Dreamsで熱狂するんだ。

 

Glamの前に居る女の子が赤いバラを持っているのが分かりますか?

 

S-ROCK: 貴方の回答で、Out Of Timeの演奏時に修道僧の格好をするという事が分かりました。写真を見て、これは一体何を演っている時なんだろう?と思っていました。このアイディアは歌詞から来ているのでしょうか?

Glam: ああ、そうだよ!ロック版のロビン・フッドだろ(笑)。

S-ROCK: Melanie Cの”I Turn To You”をカヴァーしようと言い出したのは誰ですか?

Glam: Ole Evenrudeのアイディアだったんだ。どのレコード会社もWIG WAMと契約しようとしなかった時だから、2001年の事だよ。彼は自分のスタジオに俺達を招き、ボーイバンドのヒット曲の隠しカヴァーを演るっていうのはどうだい?と持ち掛けて来たのさ。おいおい、冗談だろ、と思ったけど、とにかくやるだけやったさ。I Turn To Youは上手く行ったんだ、でもアルバムの為に取っておいたよ。

S-ROCK: 貴方の好きなバンド、ミュージシャンは?音楽的背景は?

Glam: 常に好きなバンドの1つはJOURNEYで、AEROSMITHやKISSやVAN HALENも好きさ。RATTもイカしてると思うな。

 

Flash (B)

 

S-ROCK: JOURNEY!私も大好きです。Steve Perryのあの声が私の為にロックの扉を開いたのです。彼は私の「音楽の神様」。大好きなESCAPEアルバムを聴いていなかったら、こうして貴方とお話しする事はきっとなかったでしょう。つまり、JOURNEYがなかったら洋楽ロックは聴いていなかった、という事です。私はINFINITYとサントラDREAM AFTER DREAM(夢・夢のあと)も好きなのですが、貴方は?

Glam: 同じだよ。ESCAPEアルバムはいつでも俺のお気に入りなんだけど、RAISED ON RADIOも大好きさ。Steve Perryは究極のAORシンガーで、俺は憧れているんだ。

S-ROCK: 最初に買ったレコード(CDではありません!)は?

Glam: Elvisのレコードかな、へへ。

S-ROCK: 初めて行ったコンサートは?

Glam: URIAH HEEPだね。

S-ROCK: ミュージシャンとしての貴方のゴールは何ですか?貴方個人としてはどうですか?

Glam: ミュージシャンとしてのゴールは、経費を気にせずに世界中をツアー出来る様になる事と、出来るだけ多くの人達に俺達の音楽を楽しんで貰いたいって事だね。俺個人としては、色々な人達に逢って、これが人生最後の日と思って毎日を祝福しながら楽しい人生を送る事さ。

 

Sporty (Ds)

 

S-ROCK: バンドのそれぞれのメンバー、貴方も含めてですが、どんな人達でしょう?

Glam: Sportyは面白い奴。彼は強烈なユーモアの数々を発し、俺達をいつも笑わせているよ。最高さ、奴を愛してやってくれ!彼は敏腕ビジネスマンでもあり、全ての議論をこなしているのさ。Flashは一番のなごみ系で分別がある男なんだ。じっくり腰を据えて心を通わせる会話が出来る相手。信頼出来る本物の友達なんだ。Teenyは男前で俺と性格が似ているかな。ピリピリ感がちょっと少ないかも知れないけれど、でも俺達2人はバンドの仕事中毒だね。俺は彼のギターと作曲家としての可能性に惚れてるよ。彼も真の友達で、心の広いチーム・プレイヤーだ。町で一番のいい奴じゃないかな。俺はターボ・ガイ。バンドの嵐なんだ。奴等は俺が時々ピリピリし過ぎじゃないかと言うんだけど、俺はいつもパワー全開なんだ。多分ちょっとイカれてるだろうな。全速力か、さもなければ死んじまうかのいずれか。いっさいか無か、ってね。

S-ROCK: WIG WAMのオフィシャル・サイトのゲストブック(フォーラム)で出来るだけ多くファンに返事を書いていますね。ファンと接するのが大好きでしょう?

Glam: ファンには本当に感謝しているし、みんなと繋がりを持つ努力をしているんだ。5分あればいつでもフォーラムへ行ってファンと会話を楽しんでいるよ。彼等は俺に多くのインスピレーションとアイディアを与えてくれるんだ。ファンが俺達のボスで、彼等が何を望んでいて何を望んでいないかを知る必要があるのさ。

S-ROCK: 次は5月のウクライナでのEUROVISION SONG CONTESTですね。日本では生中継では観られないのが残念です。

Glam: それは残念だね。

 

顔が見えませんが、Flashの右に居るのはTeenyです。

 

S-ROCK: 日本でCDを発売する予定はありませんか?日本や日本のロック・ファンをどう思いますか?日本や日本のファンにメッセージはありますか?

Glam: 日本は、訪れる事を本当に、本当に夢見ている場所なんだ。俺は寿司が大好きだし、日本人はとてもフレンドリーで真面目なんじゃないかと思うよ。世界中に最も誇れる人達だね。文化は素晴らしいし、女の子はとても可愛い。日本の女の子達、君達は俺の夢の中に…(笑)。出来るだけ早く俺達のアルバムを日本で出したいんだ、マネージメントをせかし続けてるよ。実際、北欧以外ではアルバムの権利は俺達自身にある。だから日本のレコード会社各社さん、俺達と契約してよ(笑)。俺は準備出来てるぜ。

S-ROCK: 日本の女の子は可愛い、とおっしゃっていますが、実際にそちらで日本人の女の子と逢った事は?

Glam: 勿論(笑)。日本の女の子達には特別な何かがあるのさ。

S-ROCK: ここからは「真面目ではない」質問です。貴方の回答で日本の女の子達が貴方を夢見るかも知れません。10代の女の子向け雑誌の様ですが…。今の所日本のファンは大人ばかりですので、若いファンも欲しいのでは?若い娘(注:彼等は女性ファンの事をchicksと呼んでいます)は何でも知りたがりますよ。

Glam: 全世代のファンを歓迎するぜ。

S-ROCK: 好きな食べ物(寿司の他に)や飲み物は?

Glam: 寿司の他には魚介類が好きで、ミラービールのラガーが一緒、というのが最高だね。

 

ライヴが観たい!!

 

S-ROCK: 好きな映画は?

Glam: ここじゃ話せないんだけど…いいの(笑)?気持ち良く笑えるのがいいから、Jim Carreyの作品は俺の要望に応えてるな。スパイダーマンやロード・オフ・ザ・リングも面白かったよ。映画を観る時は、遠くの星や時代に連れて行ってくれるフィクションや童話がいいね。

S-ROCK: 好きな本は?

Glam: 本には造詣が深くないんだけど、MOTLEY CRUEのTHE DIRTと、Gene SimmonsやTHE BEATLESのバイオなんかは読んだよ。

S-ROCK: 好きな女性のタイプは?

Glam: 俺の好みの女の子は黒くて柔らかい髪の持ち主で、日本に住んでいるんだ…日本人の女の子達は俺にはとてもエキゾチックなんだ。

S-ROCK: 好きな色は?

Glam: うーん、紫かな。

S-ROCK: 好きな言葉は?

Glam: I Love Youとロックン・ロール。

S-ROCK: 音楽以外で貴方を最もワクワクさせる事は?

Glam: 女の子に決まってるだろ。

 

いつもこんな感じなんでしょうか…(笑)?

 

S-ROCK: ありがとうございました。EUROVISION SONG CONTESTでの幸運を祈ります。これからも素晴らしい活動を続けて下さい。

 

 

(Discography)

HARD TO BE A ROCK’N ROLLER…in Kiev! (VOICES OF WONDER, 2005)
新ヴァージョンのHARD…アルバムにMGP優勝曲In My Dreamsを加えた最新ヴァージョン。

HARD TO BE A ROCK’N ROLLER (VOICES OF WONDER, 2005)
リミックス・リマスターされ、新たなタイトルとアートワークで再発されたアルバム。新曲The DropとHard To Be A Rock’n Rollerのラジオ・ヴァージョンと同曲のビデオ・クリップ収録。667…とは曲順が変わっています。

667…THE NEIGHBOUR OF THE BEAST (GLOBAL MUSIC, 2004)
一番最初に発売された「オリジナル」アルバム。現在は入手困難。