Satin – E-mail Interview (2022) (日本語)

Satin’の3枚目のアルバム “APPETITION” が2022年10月14日にART OF MELODY(イタリア)とSPIRITUAL BEAST(日本)から発売されます。ファンが期待するとてもメロディックで美しい楽曲満載のアルバムについてSatin本人が語りました。

 

 

S-ROCK: 2020年のコロナウイルス蔓延以来世界は変化し、多くの事が制限されました。アーティストは皆ライヴを開催する事が出来なくなり、バンドはスタジオ・セッションを行う事すら困難になりました。貴方はYouTubeで貴方自身、そしてお兄さんのRonnyと共にPEGASUSとしてオンライン・ライヴを開催しましたね。制限下ではどの様に過ごしていましたか?そしてそれは貴方に良い・悪い変化をもたらしましたか?

Satin: コロナ禍がもたらしたのは、音楽の他に人生が確かにあるのを示したって事だと思う。俺はとても慣れ過ぎていて、ほぼ中毒と言っていい位、音楽の仕事に没頭し夢中になり過ぎて人生を完全に忘れてしまうのさ。人生における意味とは、例えばパートナーと共にソファーに座って仕事以外の事をあれこれ話すとか、運動としてではなくて外を歩いてみたり、ただ自分の周囲をね。ライヴ・ストリーミングは全く好きじゃなかった、だから殆どやらなかったんだ。TV番組用の収録みたいだったからさ。観客が誰もいなくて、カメラしかなかった。俺達のパフォーマンスの間に人々がくれるヴァイブを上手く使う事に慣れてるから、誰も見えないなんて変じゃないか。
でも、俺にとって幸運な事に、殆どのアーティストは公開に対して個人的な必要性がある。だからコロナ禍でライヴをやれなかった時、彼等は音楽を発表したんだ。それで俺はその間スタジオのプロジェクトに引っ張りだこだったから、ありがたい事に経済的にはとても潤ったんだ。

S-ROCK: そして2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して、世界は新たな難しい局面を迎えました。貴方の母国ノルウェーはロシアと国境を接しています、日本も同様ですが、彼等は日本海やオホーツク海に阻まれて戦車で攻め込む事はありません。ノルウェーの人達はこの侵攻について何を思い、どんな反応をしていますか?

Satin: 勿論皆にとっても酷くて恐ろしいと思う、だって誰にもどうなるか分からないからさ。ノルウェーは難民を受け入れていて、子供達には学校の中に居場所を作って他の子供達と交流出来る様にしているんだ。現時点ではロシアがノルウェーに侵攻する様な可能性があるとは信じてないよ。彼等がウクライナに侵攻したという事実は既に世界にとって巨大な失敗だ。

S-ROCK: 貴方の新譜 “APPETITION”は”IT’S ABOUT TIME”から5年の時を経て10月14日に発売されますね。コロナ禍故か、それとも最高の曲を揃える為に時間がかかったという事でしょうか?制限下前と後では音楽制作に違いはありますか?

Satin: 完全に正直に言うと、IT’S ABOUT TIMEの後に更にSatinの音楽を発表するつもりはなかったんだ。俺のアルバムが売れて日本のレーベル(ANDERSTEIN)の在庫がたった2日で売り切れたのを知るのは本当に素晴らしい事だったよ。でも、Satinは厳密にスタジオ・プロジェクトなんだ。2019年のROCK THE BOATでの”Don’t Know The Words”のちょっとした演奏を除いてSatinの楽曲をライヴで演奏した事は一度もないんだよ。Satinの音楽を正しく宣伝出来ない以上そのままにしておく方がいいと思っていた。だけど何年もSatinの音楽に対する需要が多くて、少し圧倒的と言える位になっていたんだ。その需要過多をちょっと抑える為に2021年11月に”Going Your Way”をレコーディングして発表したのさ。プロモなし、ビデオなし、FACEBOOKでの告知のみだった。みんな気に入ってくれて、話題になっていった。
発表から2週間位して、イタリアのレーベルBURNING MINDS MUSIC GROUPから連絡があったんだ、俺がアルバムを作る予定はないのか、一緒に仕事が出来ないかってね。置いておいた2、3曲の曲のアイディアがあったのと、遡って子供の頃に書いた曲の幾つかを選んだのさ。IT’S ABOUT TIMEの曲の殆どは俺が13~17歳の頃に書かれたものだった。それらの古い曲は勿論幾らか新しい歌詞やパートに書き換えられているよ。この種類のロックが最盛期だった89~93年の間に書かれた事による信ぴょう性を与えているんだ。でも、自分のスタジオで他のプロジェクトの予定が一杯だったから、空いた時間でこのアルバムのレコーディング、ミキシングとマスタリングをしなくちゃならなかった。最適な環境ではなかったけれど、作品としてとても上手くいったと思っているよ。

 

 

S-ROCK: 日本向けのボーナス・トラックも含めて各曲について短いコメントを頂けますか、ご希望なら長くなっても大歓迎です 😉

Satin: 01. Going Your Way
この曲は、俺が14歳の頃書いた”Love Is In The Way”を基に構築した曲なんだ。ヴァースを入れ替えて、まさにイントロリフのようなコーラスの為に新たなメロディー・ラインを書いた。オリジナルのコーラスはギターソロの後の「崩壊」パートなんだ。だから”Going Way Too Fast”と歌う代わりに”Love Is In The Way”だったよ。

02. Angels Come, Angels Go
この曲はとても多いヴァージョンがあったんだ。この曲の全てが本当に好きで、最近書いたお気に入りの曲の1つだよ。コーラスがドカンと弾けそうな時が本当にかっこいいと思ってる、ピアノとヴォーカルに完全に散らばっていくんだ。歌詞は、傷心に付け込んで一夜限りの関係を持とうとする連中の事を歌っている。関係を投げ捨てる多くの人達は自分を傷付けたり、悪い道へぐるぐる落ちるのが得意だよね。急に現れて短い関係を持つ人達は、浮気や一晩の関係が、少しの希望や安らぎや尊敬に値する気持ちや自分で立ち上がる方法を彼等に与えて、生きたいと望み続けるんだ。俺は彼等の事を「天使達」と言うよ。

03. Waiting For Another Man
これは14年のSATINアルバムとIT’S ABOUT TIMEアルバムの楽曲リストにあったものだ。どういう訳か合わないなと感じたから外したのさ。でも、このアルバムの為に選ばれた最初の曲の1つだったんだ。この曲はアップテンポでキャッチーさ。歌詞については、常に誰かが一緒に居るのが必要で我慢出来ず絶望的な人々で、それ故落ち着いた関係を築ける相手を見つけられない、という内容なんだ。絶望はどんな状況でも辛いよね。

04. Everybody Needs To Be Loved 
PEGASUSのアルバム”VENDEPUNKT”用に書かれたいい気分のキャッチーな曲。この曲がいつも好きで、その結果が好きなんだ。タイトルは一目瞭然さ、君が誰であっても愛が必要だ、って事。

05. A Dream Coming True
この曲を書いた時俺は13か14歳で、曲名は”Be With You” だった。ヴァースとブリッジの歌詞を書き換えたんだ、でもオリジナルの文章の幾つかは残したよ。コーラスは最後の部分以外はオリジナルのままさ。”So why can’t I be with you”から”It’s like a dream coming true”に変更したんだ。30数年の後にとても多くのSatinの楽曲が日の目を見るなんて考えるだけでイカレてるよ。

06. Looking At You
この曲はR&Bアーティスト達が関わるプロジェクトの為に98年に書いた曲だよ。この曲を書き上げた時、とても気に入ったから自分用に取っておいたんだ。俺には、この曲はR&Bというよりもかっこいいロックの曲みたいに聞こえたのさ。R&Bとしても上手くいってるけど、これを取っておく決断をして良かったよ。TOTOの”Stop Loving You”の雰囲気を常に与えてくれたんだ。

07. Pearly Gates
なんてこった!「古い、でもいい曲」の話をしようか。この曲を書いたのがいつだか思い出せない位初期の作品だと思う、だから12、13歳位の時じゃないかな。”Running All The Way To The Pearly Gates”というタイトルだったよ。約20年前に歌詞を書き換えて、タイトルを”Levina’s Tent”に変えたのさ。このアルバム用に再度タイトルを”Pearly Gates”に変更したんだ。

08. Jenny (I’m Bringing You Down)
16歳の頃の俺のバンドMIRACLEでこの曲をライヴ演奏していたんだ。この曲の何がかっこいいかというとバラードとして始まるのに、2番目のヴァースの前で完全に終わるって事さ。そしてギターリフがあって、曲調がアップテンポのロックになるんだ。歌詞は、誰かが君を置いて去る事へのフラストレーションについてなんだ、彼等は君を陥れようと考えているからさ。

09. Still Waiting
SATINアルバムの為に書いた曲なんだ。何故あのアルバムに収録しなかったのか分からないな、でもIT’S ABOUT TIMEに入れるにはソフト過ぎたのは分かってる。この曲も俺のお気に入りの1つなんだ。

10. Fight Again
更にもう一つ、歌詞を書き換えた古い曲で、でも音楽の部分はオリジナルのままだよ。この曲の構造、イントロ・リフ、コードとメロディーは14歳の時に書いた”Someone To Share My Life With”という曲から取ってるよ。とても真っすぐなロック曲で歌詞はほぼ自分を見失っている事を書いてあるんだ。多くの人々にとって人生は辛いもので、常にそうであろうものだよね!

11. Blame The Flame (bonus track for Japan)
これはとてもかっこいい曲だ!APPETITIONアルバムの為に12曲レコーディングして、過去の2作品に追随する10曲にこの1曲を含めたかった。日本盤にボーナストラック1曲が必要だったから、1曲削らなければならなかったんだ、そして最終的に”Get Less Than Half Back”という曲になった。ボーナストラック用の曲をどれにするか選ぶ時が来た時、千回はあれでもないこれでもないと迷ったんだ。でも、どの曲を選ぶかなんて全く問題じゃないと気付いたのさ、だっていずれは例えばYouTubeにアップされちゃうだろ、そうなればみんな聴けてしまう様になる。アルバムの他の曲同様の質をボーナストラックが持っているのはいつても最高だね。

 

 

S-ROCK: APPETITIONのアルバム・ジャケットには顔(貴方の?)と米ドル、左側にはタイヤの様な何かと、ロゴの後ろには楕円の様なものが見えます。このアートワークは「欲望」に関連するものを表しているのですか?

Satin: ああ、合ってるよ。とても良く見つけたね。ロゴの後ろの円形の物体は地球なんだ。俺が知るだろう隠されたいくつかのものがそこにはある。このアルバムは愛、幸福、強さと心身共の健康を歌詞に込めているんだ。これらは人々が真に求めているものだと俺は信じているし、全ての人にとって解釈が異なるものなんだ。だからアルバム・カヴァーは欲望に紐付いている物達を広く象徴しているのさ。

S-ROCK:  過去2作品は貴方自身のレーベルVERUM MUSICから発売されていました。今回はART OF MELODY MUSICと契約しました、何故でしょう?VERUM MUSICはまだ稼働していますか?

Satin: 21年11月に”Going Your Way”を最初に発表した後ART OF MELODY MUSICが連絡をくれたんだ。アルバムを制作するつもりはなかったんだよ。でも彼等が一緒に仕事がしたいと言ってくれた時、俺は10曲レコーディングして送る事が出来ると言ったのさ。彼等が聴いたものを気に入ったら、彼等は企画を提案出来て、気に入って貰えなければ自分でVERUM MUSICから発売していただろうね。彼等は気に入って発売したいと言ってくれたから、こうなったんだよ。

S-ROCK: APPETITIONアルバムでのライヴの予定はありますか?来日するのはどうでしょう? 😉

Satin: 前に話した通り、Satinは厳密なスタジオ・プロジェクトでライヴ演奏する事を意図した事が決してなかったんだ。イタリアでライヴをやらないかという話を今していているけれど、どうなるか、未来は何を運んでくれるやら。ヘヘ…。日本はいつも俺が音楽と音楽を愛する人達と関わりを持ってきた国だ。色々なアルバムのとても多くの日本盤を持っているし、俺が大好きだった全てのバンドは日本でライヴをやってるのさ。とてもありそうにない状況だけど、どうなるか分からないよね 😉

S-ROCK: 音楽以外の貴方の「欲望」は何ですか?

Satin: 人生で俺が努力している事は俺の歌詞に込められているよ。既に語った様にこのアルバムは愛と幸福と強さと心身共の健康を歌ったものだ。これらは俺の欲望でもあるんだ!

S-ROCK: S-ROCKサイトを訪問する貴方のファンにメッセージをお願いします。ありがとうございました!

Satin: 君達のサポートと、あらゆる方法で影響を与えるチャンスを俺の音楽にくれる為に君達の貴重な時間を割いてくれて本当に感謝しているんだ!本当にありがとう。S*

 

 

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