LOVER UNDER COVER – E-mail Interview with Mikael Carlsson (B)(日本語)

 

*30年の時を経て登場したスウェーデンのAORの新星*

1982年にRAINというバンドで一緒に活動していたMikael CarlssonとMikael Erlandsson(現LAST AUTUMN’S DREAM)が再びタッグを組み、LOVER UNDER COVERとしての活動を開始しました。
今回は、バンドの創始者でベーシストのMikael CarlssonとのEメール・インタビューをお届けします。

 

Mikael Carlsson (B)
(Taken from the official website)

 

S-ROCK: 貴方にインタビューするのは初めてですので、まず自己紹介して頂けますか?

Mikael: やあ日本!!!こうやってインタビューする事が出来て嬉しいよ。俺はMikael Carlsson (Mr. C)、LOVER UNDER COVER(以下LUC)の創始者だよ。13歳の時に最初のバンドを始めて、これ迄様々なバンドで演ってきたんだ。ベースを主に弾いているけど、ギターやキーボードもやるし、それとハーモニカを少し吹くよ。それと料理が得意なんだ。

S-ROCK: 貴方は1989年に別のシンガーとLUCを始めましたね、その時のチームで作った曲はこの素晴らしいアルバムSET THE NIGHT ON FIREに収録されていますか?今と80年代では音楽スタイルや作曲に変化はありますか?

Mikael: あの頃の曲は2曲入ってるよ。”Crazy For You”と”Through The Storm”だ。当時リードVoだったDaniel Boscovicと一緒に書いたんだ。俺が作曲し、彼が作詞したのさ。あの頃はサウンドにもっとKeyが使われていて、よりポップな音楽を演っていたよ。新しいLUCはずっとハードで、多分少し暗めの音作りをしている。曲作りは勿論より成長しているしね。25年間もあればより多くの経験をするだろ、あの頃だったら例えば”Hero”の様な曲は書けなかったよ。

 

Mikael Erlandsson (Vo)
(Taken from the official website)

 

S-ROCK: 貴方とMikael Erlandsson(以下Mikael E)は30年来の知り合いだそうですね。彼はミュージシャンとして、また個人としてはどんな人ですか?他のメンバーはどうですか?

Mikael: まず第一に、彼は素晴らしいシンガーなんだ。俺達は1982年に一緒に最初のバンドを始めたのさ。RAINっていう名前のバンドで、当時俺達は17~18歳だった。あの頃Mikael Eはドラムを叩いていて、まだシンガーとしての才能に気付いていなかったのさ。彼はポップ・バラードからゴリゴリのメタル迄何でも歌える。以前から、彼の声はよりハードなロックに合ってると思ってたから、新たなLUCを始動しようと思った時、彼を最初に選んだんだ。彼は本当にいい奴で、いわゆるロック野郎とは対極にあるんだ。本当に謙虚な男だよ。キーボードも上手いしね。Martin (Kronlund)は謙虚男No.2で、この業界ではトップ・プロデューサーの1人だし、このアルバムを驚異的な仕上がりにしてくれたんだ。素晴らしいギタリストでもあるから、LUCに彼が参加したいと知った時には嬉しかったよ。彼は自分のスタジオで有名ロック・スターと仕事をした経験があるんだ、Brian Robertson,、David Reece、Joe Lynn Turner、 Rob Morati、Paul Youngや Steve Overland等、挙げればキリがないよ。印象深いね。Perra (Johansson)は俺達の素晴らしいドラマーで、バンドのグルーヴの鍵だ。”Too Good To Be True”のカッコいいビートを刻む彼の仕事を聴いてみてくれ。彼も謙虚な男なんだ…何てこった、俺達みんないいヤツじゃん、ははは。このアルバムには素晴らしいゲストを迎えているんだ。JORNのTor Erik Myhre、COLDSPELLのMichael LarssonとTENのGed Rylandsだ。それと”Hero”ではKatarina Hagerが歌っているよ。信じられる?ゾクゾクするラインナップだよね。

S-ROCK: アルバムの各曲を紹介して頂けますか、それと貴方の好きな曲はどれですか?アルバムを聴く時、ここに注目して欲しいという所は何処ですか?

Mikael: まず初めにアルバム・カバーについて語っておきたいんだ、それ自体に物語があるからね。俺とMikael Eは最初のデモテープを完成させて、MySpaceで公開したんだ。俺のグラフィックの腕は限定的で、俺達のMySpaceはクソみたいな仕上がりにしかならなかった。ある日チリ人男性からメッセージを貰って、彼も俺達のMySpaceはクソみたいだけど音楽は凄いって思ってたらしいんだ。で、彼は俺達のページを作り直したいと申し出たのさ。何てこった、今以上に悪くはなり様がないさと思って彼を俺達のMySpaceにログインさせたのさ…何て事をしちまったんだと思った…けど、出来てみたら最高だったんだよ!彼は凄いグラフィック・デザイナーだったのさ。彼はAndres Orenaで、彼が俺達にしてくれたのは、Derek RiggsがIRON MAIDENにした事と同じ意味があるんだよ。彼はアルバム全曲の1つ1つにアートワークを作ってもくれた。それぞれが、曲のエッセンスを掴む為の愛と感覚に溢れているのさ。80年代半ばの最初のPHENOMENAアルバムのブックレットを知っていたら、俺の言いたい事は分かって貰えると思うよ。だから、もし俺達の音楽がクソだと思ったとしても、アートワークの為だけにCDを買う価値はあるんじゃないかな、と声を大にして言いたいんだ。

“My Best Friend”はアルバムのオープニング曲で、君の顔面にガツンとメロディックな衝撃を与えるのさ。アメリカの銃規制について歌っている。全ての問題を武器が解決すると思っている多くの人が居るけれど、それには反対を唱えたいね。この曲の歌詞が本当に好きだ。

“Angels Will Cry”はヘヴィーな1曲。ピアノで始まるイントロは美しくて、そして爆発するんだ!俺達はみんなそれぞれ恋愛の経験があって、関係が上手く行かなくなった時は、苦悩を吐き出したいと思うものだよね。

“Too Good To Be True”はタイトルが全てを物語っていると思うよ。みんなが君から何かを奪おうとしている、だから気を付けた方がいい、何故なら世の中の多くの事は見た目が良い事程偽善だからね。この曲の歌詞も力強いと思う。

“Hero”は俺のお気に入りの1つ。音楽と歌詞の両方がガッチリ君を捕らえて離さないよ。この曲は父親の視点で歌われているのさ、彼の可愛い10代の娘が反逆児になっても、彼には娘の破滅への道を止めるだけの強さがないんだ。ここで2人のスペシャル・ゲストの登場さ、JORNのErik Myhreがギターで参加、Katarina Hagerが反逆児の10代の娘役を演じているよ。

“Flash In The Night” はスウェーデンのポップ・バンドSECRET SERVICEのカヴァー曲だ。80年代初めに彼等はこの曲で大ヒットを飛ばしたのさ。俺はこの曲がずっと好きで、よりパワフルにしたら面白そうだと思ってた。この曲のピアノが好きだし、コーラスでギターが応えるのもいいね。

“Set The Night On Fire”はアルバム・タイトル曲。ヘヴィーで、示唆に富んでいて、魅惑的で、いいロックの曲の要素がみんな詰まっている。デモの段階では少し様子が違っていたんだ。この曲をレコーディングした時に、俺は2~3時間スタジオを離れなくちゃならなくて、戻って来たらMartinとMikael Eがブリッジとコーラスを変えていて全く違うものになってたのさ。最初は凄く驚いたけど、新ヴァージョンがとてもカッコ良かったから、そのまま使う事にしたんだ。

“Who Needs Love”もカヴァー曲だけど、ただのカヴァーじゃないんだ。新生LUCの全ての始まりだったのさ。Mikael EがLAST AUTUMN’S DREAMのDREAMCATCHERの為に書いたこの曲のデモテープを俺が作ったんだ。でもずっとヘヴィーなヴァージョンにしたんだ。Mikael Eに聴かせたらブッ飛んで、もっと録音したいと言い出した。それがLUCの始まりだったんだよ。LADのオリジナルを聴いて、LUCのヴァージョンと聴き比べてみてくれ。

“Crazy For You”は80年代に作った古い曲の1つさ。君は猛烈な恋に落ちて、友達には理解されない、っていうラヴ・ソングだよ。彼等にはヒントが見つからないんだ、だって俺は君に夢中だから…!

“Standing In Line”は欲望についての曲。手の届かない愛への欲望…でも君はそれでも、希望と夢の答えが内なる空虚感を満たしてくれる日が来る事を祈っているのさ。

“Through The Storm”は「絶対諦めない」事を歌った曲。昔アイルランドで起こった話なんだけど、世界中の何処でも起こり得る事なんだ。多くの人達が歌詞の中に自分を見つけると思う。

“A Nice Day”はアルバム唯一のバラード。誰にとっても心地良い曲さ。典型的な”Erlandsson”節が最適な状態で提供されているよ。

“Rain Of Tears”は日本向けのボートラで、一種のラヴ・ソングで悲しいんだ。報われない愛への思いを歌っている。COLDSPELLのMichael Larssonがゲストでギターを弾いているよ。

 

Martin Kronlund (G)
(Taken from the official website)

 

S-ROCK: 曲作りのアイディアはどうやって得るのですか?音楽が先ですか、それとも歌詞?

Mikael: ああ、ははは…その時によって違うんだ。例えば”Hero”のイントロのピアノは街に居た時俺のiPhoneで作ったんだよ。頭の中にメロディーが浮かんで来て、一度に録音したから忘れずに済んだんだ。だから曲はさっと進んだ。歌詞はとても時間がかかったよ。2ヶ月かかったけど、結果に満足している。ギター・リフやベース・ライン、ドラム・グルーヴ、もしくは1フレーズ、単語1つから始まる事もあるんだ。いつ閃くか分からないんだよ。

S-ROCK: 最近のスウェーデンの音楽業界についてどう思いますか?

Mikael: 本当に力強いよ。スウェーデンでは全てのジャンルのバンドが居る素晴らしい環境がある。ポップ・アクトからエクストリーム・メタル迄様々さ。スウェーデンは、バンド活動をするには最高の場所なんだ。ソーシャル・メディアでは君の音楽を世界中に広める事も出来るしね、PCでクリックすればいいんだから。アルバムを発売すれば、発売日当日、もしくはそれより前にネット上に広まるから、その点については多くのミュージシャンが対策を取らないとならないけどね。

S-ROCK: 「日本」という言葉を聞いて連想する事は?

Mikael: 高崎晃!!!ははは、俺はLOUDNESSのアルバム”DISSOLUTION”が大好きなんだ、でも日本に行った事はないのさ。映画やTVで観た事だけ知ってる。本も勿論そうだ。行けたらいいな、と思ってるよ。多分、俺達と同じ位日本のファンがこのアルバムを気に入ってくれたらチャンスがあるんじゃないかな?

 

Perra Johansson (Ds)
(Taken from the official website)

 

S-ROCK: ミュージシャンとしてのゴールは何ですか?貴方個人としてはどうですか?

Mikael: このアルバムを発売する前は、アルバム発売が目標だったよ。このバンドの他のメンバー達はこれ迄数々の作品を発表して来たけど、俺にとってはこれが初めての作品なんだ。だから、次はもっとハードルを上げようと思うのさ、フェスティヴァル出演とか、そして勿論…日本へ行く事だよ。

S-ROCK: 貴方の好きな音楽を教えて下さい。誰・どのバンドがお気に入りですか?

Mikael: このバンドのメンバーはみんなTHIN LIZZYが好きなんだ。俺はWHITESNAKEやGlenn Hughesが大好きで、PHENOMENAの1stとQUEENSRYCHEのOPERATION: MINDCRIMEが大好きなんだ。ノルウェーのJORNもいいね。スイスの新人CHAOSもいいよ。いい奴らでいいバンドなんだ。勿論俺達の友達COLDSPELLやチリのTIMELESSもお勧め。

S-ROCK: 日本に居る貴方のファンにメッセージを頂けますか?

Mikael: サポートしてくれて本当にありがとう。LUCを広める為に力を貸して欲しいんだ、どんな協力でもありがたいよ。俺達の事を君が知っている局やサイトにリクエストしてくれたら、そんなに遠くない未来に日本で演奏出来るかも知れないよ。俺達のサイトへ訪問してくれ。

 

(Discography)

SET THE NIGHT ON FIRE (RUBICON MUSIC/ESCAPE MUSIC, 2012)

 

 

LOVER UNDER COVER Official Website
https://www.loverundercovertheband.com/