CRYSTAL BLUE (2003)(日本語)

 

 

*CRYSTAL BLUEの復活*

CRYSTAL BLUEとして復活する事を決めた時、かつて抱いていた思いやノリを再びとは決して思わなかったんだ。不思議な事にごく初期から繋がっていて、みんなその事実に驚いたものさ。何人かのメンバー(具体的にはVoとDs)が次第に残りのメンバーとは音楽的にすれ違っていく事に気付くのに時間は大してかからなかったんだ。

このバンドをしっかりしたコンディションで切れのあるものにするにはまずドラマーをFredrik (Larsson)に替えなくてはならなかった。これは正しい選択だと言えるだろう。よりAOR的な方向に進む事を俺達は希望していた。やがてMorgan (J Johansson)が俺達他のメンバーとは違う方向性を目指している事ははっきりしていく。彼はクラシックなHRに傾倒していて、AORを演る事に積極的ではなかった。Morganはバンドを去り、彼は同じ方向性を持つミュージシャンを探す事になったんだ。俺達は彼の幸運を願っているよ。ThomasはリードVoを取らなくてはならなくなったけど、彼は誇りを持ってやってくれたよ。そして次は自分達が楽しめる音楽を作る段階だ。(2002年)10月の終わりに次のアルバム用の作曲とアレンジを開始。沢山アイディアはあるのに時間がなくて、さっさと決めなくちゃならなかったよ、何を残して何を捨てるかってね。

*スタジオにて*

十分な準備の後俺達は(2003年)1月17日にスタジオ入りした。5日間でDsとB、一部のKeyをレコーディング。その後1月31日に再びスタジオ入り、また5日間でGとKeyを録ったんだ。

その後2週間程オフを取り、2月14日にスタジオへ戻った。この時は10日間でVo、Gソロ、オーヴァーダブに、細かいアレンジを幾つかやったんだ。

この段階で、ある曲のコーラスが良くない事に気付き、書き直した。オリジナルと全く同じままなのはDsトラックだけなんだよ。コーラスの新しいメロディーに合わせて全て録り直さなくてはならなかったよ。こうして変貌を遂げた曲こそが”This Is The Time”なのさ。

日本での契約も取れたので、アジア向けの曲を1曲録らなくてはならなかった。いわゆるボーナストラックって奴さ。これは俺達がスタジオを使える時間の割り振りには予定されてなかったんだ。Aスタジオは既に押さえられていたから、Bスタジオを使って自分達でエンジニアもやって録らざるを得なかった。

2月28日から3月10日迄ミックスダウン。ミックスが終わるとその結果に俺達はすっかり満足したよ、こんな事はそうそうある訳じゃないんだ、Jens Bogrenのお陰なのさ。彼はイメージをしっかり持っていて、俺達が求めていたものを再現してくれた。マスタリングの前には曲順を決めなくてはならないけど、簡単な作業じゃないよね。それと、どの曲を日本向けのボーナストラックにするか決めなくちゃならなかった。その為に全曲のテンポバーを作って、アルバムを通してダレない様にする工夫もした。一番大変だったのは収録1曲目を決める事だったけど、ちょっと話し合ったら同じ選択で一致したんだ、面白い事にみんな同じ結論を出したのさ。

*曲の作り方*

曲作りにおいてはっきりしたテーマがある:アコースティックGかピアノから始まるんだ。良い曲の要素とは良いメロディーで、Gリフやアレンジからは独立しているものだ。俺達はいつもメロディーと、基本のコード進行から始めるよ。そこからGとKeyのアレンジを組み立て、曲に合ったグルーブ感を見つける様にもしている。自分達が演奏している音楽のスタイルも確立しているんだ。アコースティックGやピアノで作った曲なら、様々なスタイルの音楽に合わせる事が出来るんだよ。

それらの作業を済ませたら、その曲を一旦レコーディングして、更なる変更やアレンジを加える為に聴いてみる。アレンジし過ぎたと感じたら、何か足すよりも、メロディーの「邪魔」をしているものを取り去ってしまうんだ。RADIO F.R.S.のGeorge Hoelzleが俺達は極限迄削ぎ落としている、って言っていた。そこに効果があるんだ。

*CRYSTAL BLUEのサウンド*

多くの人達が俺にCRYSTAL BLUEのサウンドについて尋ねるけど、返す事が出来るのはただ1つ:「これが俺達の表現するものだ。このバンドで一緒になる前、俺達はそれぞれあらゆるジャンルのミュージシャン達と演って来た経験があって、CRYSTAL BLUEの音は他のどんな共演でも有り得なかったよ」と。

去年(2002年)リハーサルを始めた時既にその音楽はいとも簡単にそこに存在していたのさ。計画されたものは何もなかった:ただそこにあっただけなんだ。音を変えようともしたけれど、上手くいかなかったさ。音に新たな次元を送り込んでくれた新しいDsを得た事もあるけれど、ユニットとしてどの様に一緒に演っていくかという事でもあったのさ。それでもその音はそこに存在するものなんだ。それに何と言ってもVoを引き継いでくれたThomasの功績は大きかった、でもMorganの仕事が良くなかったっていう意味じゃないよ、クラシックHRバンドに合っている、別のスタイルの声を彼が持っていた、というだけの事さ。

俺達は、自分達が何より好きなAOR路線を歩む事を選んだ…君はどうだい?

Ove Lundqvist – CRYSTAL BLUE

(公式サイトより)

 

 

(Discography)

DETOUR (MARQUEE/Avalon, 2003)
CAUGHT IN THE GAME (SMC Records, 1994)
OUT FROM THE BLUE AT LAST (1993)